micorunの自己紹介

前にバズった時の記録代わりの自己紹介と、普段考えていることを雑多に書いてます。

24 もっと名乗り出れば……

イラストに名前を入れなかったり、改変ネタの方が圧倒的に流行ったことで、元ネタを作った作者としての私のアカウントは、埋もれた存在になっていました。
勿論、作者としての名前を知ってほしいという気持ちはありますが、私自身の目的は自己アピールや存在価値を認めてもらうのではなく、どうやったら注目を得られるのか、どんな漫画が多くの人に読まれるのかを知るための、一種の調査のようなものでもあるため、そのあたりはぐっと足を止めて、その場で見届けようと思いました。

 

避けたい事例として、ひこにゃん彦根の良いにゃんこの話があります。
これは私も詳しくは無いのですが、簡単に概要だけを説明しますと、彦根市ひこにゃんを描いたイラストレーターとの間で、著作権に関わるトラブルや問題があったことによって、商業展開に不備が生じた(今も生じている?)という話です。

matome.naver.jp


言われてみれば、ゆるキャラのグッズコーナーに昔はあったはずのひこにゃんの姿は全然見かけなくなった気がします。
私が思うのは、そんな大人の事情でひこにゃんというキャラが見られなくなるのは、とても悲しいということです。
公表されている問題以外にも様々な理由があるのでしょうが、ただひこにゃんが好きな一般の人からすれば、着ぐるみを見て、グッズを買えれば満足出来るのです。

 

「頭の良い人と悪い人の〜」ケースで言えば、私が描いたキャラクターよりも、改変ネタで生まれたキャラの方が認知度が高く、人気も高いです。
流行が一段落した後にLINEスタンプを販売したのですが、改変されたキャラクターのスタンプの方が売り上げが多いのは、誰がどう見ても明らかな結果でした。

line.me

line.me


しかしここで元ネタの作家であることを強調したり、イラストの使用について制約を設けたりすれば、多くの人が興ざめする事態になると思います。

 

きっとこのあたりが、自分自身と独立した作品を線引きするラインなんだと思っています。
自分アピールをすれば、言うなれば身内ネタに回帰することになります。
そうすれば「micorunはすごいね」「最高だよ」と友達から褒められるかもしれません。
ですが、そんなことはマンガやキャラクターを使ってわざわざ得るものではありません。
市場を知ることが出来て、実際にtwitterという市場でほんの一時的なムーブメントを起こせたという実績を元に、今後の展開や活動をしていくこと、また少しずつついてきてくれているファンの期待に応えることが、私自身ではなく、作家としての為すべき行動だと思っています。

 

ただLINEスタンプに関しては不本意な点が多くあり、一番の問題は「一つのネタでスタンプが2つある」ということになってしまったことです。
知らない人にとっちゃ「なんで別々になってんの?」と思われて当たり前なので、これは端的に言えば「顧客に倍の値段でスタンプを売る」ことになってしまいます。総体的に見れば損失が多くなることになります。
短期的に見れば儲かるかもしれませんが、継続して作り続けなければLINEスタンプの売り上げは微々たるものですし、目先の利益よりももっと別なものをプロモーションしていった方が、一過性の流行だけで終わらせずに済むはずです。


とはいえ、私自身も以前に有料販売で炎上しているわけですし、その売り方が正しかったか?と言われればとてもそんなことはありません。
リスクの無い金のなる木を見たら誰でも目が眩むように、素人の落とし穴なのかもしれません。


次の目標は注目を得ることから、生きた作品をどう扱うか?が課題になりそうです。

23 唯一良かったことと言えば


私は漫画を描く上で夢のようなものが昔からあって、それは自分の作品やキャラクターの二次創作を作ってもらうことでした。
今回の流行をきっかけに、プロのイラストレーターや漫画家の方も、描いたイラストを投稿してくれて、それを見ることが出来たのが唯一の達成感のように思えます。

f:id:micorunblog:20171103122017j:plain

f:id:micorunblog:20171103122141j:plain

f:id:micorunblog:20171103122510j:plain

 

f:id:micorunblog:20171103122058j:plain

twitter.com

 

まぁ「数字が稼げるから流行りに便乗した」というのがほとんどの理由だとは思いますが、こちらから頼んで描いてもらう仕事としての二次創作では、やはり何処かしっくりこない面が出来てしまいます。
しかし作家さんが自主的に作った二次創作には、作品に対する意識が違い、愛情のようなものが込められています。

私自身、絵が上手くなければ上達させる気もない人間なので、プロの方に自主的に描いて貰えるというのは、最高の贅沢と言えました。

22 改変ネタは、セカンドインパクトを起こす

今までの漫画は、主に作者が主人公であるような視点の漫画を描いていたので、共感を得られるかどうかはきっぱり別れていました。
また、どうしてもキャラクター性が弱く、マンガであってもブログのような、日記の延長のように読まれていることが多くあったようです。
ただ、この「頭の良い人と悪い人の〜」も描き方をより簡潔にシンプルにした以外は、実際に私が感じたことではありますし、視点は特に変わっていません。

 

そして、シンプルな構成にしたおかげか、様々なコラージュ画像や改変されたネタが、色んなアカウントで共有され始めました。
私が投稿した内容の意図とは異なるものがほとんどだったり、絵を勝手に使われていることに問題はないのか?という意見もよく寄せられますが、その点に関しては自分の中できっちりラインが決められています。

イラストや素材の無断使用や改変については、聞かれなければ基本的に全てスルーで、責任も取らないようにしております。
これを例えば許可してしまった場合、改変ネタで政治批判や差別的表現をされた時に、私にも責任がかかってしまうからです。
イラストレーターの方はよく自分のアカウント名をイラストの端などに書かれていますが、私はそういった理由からなるべく書かないようにしています。
あとは単純に、無断利用してもらった方がより早くスムーズに拡散してもらえるというメリットもあります。


頭の良い人と悪い人では、様々な改変ネタが生まれ、中には元ネタよりも多くのリツイート数やいいねが付くツイートもありました。

例えば絵の二人のキャラを同性カップルにしたマンガは、かなりの人気を集め、そのおかげでネタだけでなく描かれたキャラクターにも興味を持ってくれる人が増えました。

 

そしてこのネタでは投稿してから数ヶ月後に、別な改変ネタが急に流行ることになりました。

 


それは元ネタをより分かりやすくした内容だったのですが、その改変されたキャラクターのインパクトが強く、twitterを開けば何処かしらでこのネタの改変画像を見かけるぐらいのヒットを生み出したのです。
しかしそれらは全て私の実力でもなければ、行動の結果でもなく、作品が一人歩きした結果の光景だったので、元ネタを作った当の本人である私は、なんだか他人事のようにしか見えませんでした。
勿論その流行のおかげで、フォロワーが増加したり、誹謗中傷を向けるアカウントが減り、称賛のエールを送ってくれるアカウントも増えましたが「いや俺じゃねぇし(俺だけど)」というような、いつまでも拍子抜け感が続いておりました。

21 異なる流行 別な解釈

f:id:micorunblog:20171103120459j:plain

このイラストは、最初は今まで通り内容に関する賛否両論が多く寄せられていたのですが、認知度が上がっていくうちに、例題であるりんごを別なものに置き換えたりする、いわゆる「改変ネタ」が徐々に現れました。


改変されたネタについては何とも思いませんでしたが、解釈の違いや様々な発想を見ることが出来て、とても勉強になりました。

このイラストを上げた当初はそこまで話題にはならず、2ちゃんまとめに少し転載されるぐらいの勢いしかありませんでした。

それでも私自身にとっては、一種の壁を超えられたことに自信を取り戻せた他、より描きたいものを素直に描けるようになっていきました。
また、この時の大きな変化といえば、リツイート数よりもいいね数が増えたことです。
twitterではいいねはお気に入りのような機能で、他のアカウントのタイムラインで共有されるリツイートより機能としては弱いのですが、それ故にポジティブな目的が無ければ押されることはほとんどありません。
リツイートをする目的は人によって様々で、例えば軽犯罪や炎上の元となったツイートが多くの人に拡散されるのは、ネガティブな情報共有と呼べるでしょう。
ポジティブな共有でのリツイートは高い効果を生み出しますが、そうでない場合は以前に私が感じたように、読み手との間にズレや誤解を招く発端になります。

そうやって考えていくと、リツイートが多いということは、アカウントとしての認知度が低いとも言い換えられます。
フォロワーが何十万人といる有名人のアカウントの普段のツイートは、いいねは多くつきますが、リツイートはせいぜい100いくかいかないかぐらいの量です。
けれども、インプレッション数(ツイートの閲覧数)で考えれば、平均数は有名人の方が多いと考えられます。
リツイートで一時的にそのツイートのインプレッションが爆発的に増えても、アカウントや作家自体が注目されるケースはごく稀です。特に写真や動画など、作家性の薄いコンテンツであればあるほど、情報提供者の存在はあってないようなものになります。

そのため「フォロワーは少ないがリツイートが多いアカウント」より「フォロワーは多いがリツイートは少ないアカウント」の方が、実際には多く読まれているケースが多いのです。
フォロワーもまた、数字だけ増えればいいというわけではありませんが、私のアカウントでは徐々に変化の兆候が現れ始めていました。

15 『頭の良い人と悪い人の物の見方の違い』が産まれたきっかけ

そうやって絵柄をなるべく万人受けするキャラクターを使ったのが、このイラストです。

f:id:micorunblog:20171103115854j:plain


これもまた、昨年のツイートよりも多くの反響を呼ぶことが出来ました。
このイラストは、絵柄についてはしっかり考えていたのですが、内容については思いつきに近いものでした。
当時、麻雀をやっていた友達たちがめっぽう強く、素人の私は局が終わった後に解説を聞いたところ、牌一つだけでも様々なことを読んだり考え、それを瞬時に判断出来ることを知り、感動したのが元のネタとなりました。

とはいえこれをそのまま麻雀で説明しても、麻雀を打つ人は少なくはありませんが、それ以上に麻雀のルールを知らない人の方が多くいます。
また、麻雀というと賭け事のような、あまり良い印象を受けない人もいると思います。
伝えたいことは強い人の麻雀の打ち方ではなく、素人とプロの違いです。

これを極限までに誰にでも分かるようにしていった結果、頭の良い人と悪い人の違いの題材は、りんごへと行き着きました。

 


頭の良い人の思考回路には、本来ならリンゴについての専門的な内容を載せるべきなのでしょうが、リンゴ・スター椎名林檎と言った、ダジャレのような下らない単語ばかりを載せています。これは記憶への結び付きが強く働いています。
このキャラクターがどう考えているかは置いておいて、記憶というのは既知の異なる情報が結び付けられることによって、高い学習効果と記憶への定着を引き起こします。
リンゴの専門的な内容をウィキペディアからコピペしたところで、大半の人はその内容を読んでも忘れてしまいます。そもそもリンゴの専門知識なんて知りたい人なんて多くないし。専門性を高めたところで、イラストとしての情報力は高いとは言えません。
それよりもピコ太郎や椎名林檎など、写真や音楽などイメージしやすい単語を並べた方が、イラストとしての情報力は高くなります。

 

パワーポイントなどの人に見せる資料を作る際に大切なことを以前教わったのですが、
・重要なことだけに絞って簡潔にまとめる
・分かりやすい例やイラストを用いる
・専門用語を使わない。使う際は注釈を入れる
などがあり、これはマンガにも同じことが言えるなぁと思いました。
私自身がこれらを上手く出来ているとはまだまだ思えませんが、例えば専門用語を使いまくっている起業家の人とかはよく見かけますよね。
「分かる人にだけ分かればいい(バカや無能には読ませたくない)」という考えもあるのかもしれませんが、時代にそぐわない気がします。

この「頭の良い人と悪い人」の例で言えば、本当に頭の良い人なら言われなくても分かっていること、もしくは何が言いたいかを推測出来る人のはずなので、そういう人向けには作っても労力の無駄になります。
SNSでは特に間口を広げた表現をした方が、アクセス数が増えるのはもちろん、視野が大きく広がるきっかけにもなるので、専門性を高めることよりも、人に分かりやすく説明出来る能力の方が必要だと改めて強く感じました。