micorunの自己紹介

前にバズった時の記録代わりの自己紹介と、普段考えていることを雑多に書いてます。

0A 仕事と信用

これもズレから生じた誤解で、私は「クリエイターとして食っていくために、サラリーマンを退職した」みたいなことが一部では思われているらしいのですが、実際は全然違います。ただのニートです。
そもそも私は大学を卒業してから正規の仕事に就いたことがなく、アルバイトやごく稀に入ってくる絵の仕事をしたり、実家の親の仕事を手伝うなどをして、ちゃらんぽらんに生きているような状態です。
多分誤解が生じたのは、以前コンプレックスを無くそうと思い、就活をしてみたけど内定が出た会社をすぐに辞めた旨のツイートがあったことから、そのような解釈が生まれてしまったのかもしれません。

周りでニートや無職の人は、病気や精神的な理由、引きこもりなどが原因で「そうならざるを得ない」理由でそのような生活をされているようですが、私自身は持病と言えばアトピー性皮膚炎があるぐらいで「やりたくないことを徹底してやらない」結果、今のような生活をしている状態です。

そのようなニート生活を続けていられるのは、信用による力が大きいように思えます。

これも市場で学んだことと同じで「大多数の人が喜ぶことを進んで行う」ことと「大多数の人が困る行為をしない」の二つを素直に行えば、自ずと自然に信頼関係は生まれるものです。

例えば私は普段から掃除をするのが好きなのですが、多くの人は掃除が好きではありません。やらなくて良ければ出来る限りやりたくない家事の一つのはずです。単純に仕事やプライベートが忙しくて出来ない場合もあります。
掃除をしたい自分と掃除をしたくない相手、それだけで既に需要と供給が成り立つのです。
勿論相手との交渉が必要ですし、掃除が苦手な人が全員私にお願いするわけでは当然ありません。
私が掃除をするメリットが相手にあった場合(例えば楽器を多く所持していて、詳しくない人だと乱暴に扱われるのが怖い人など)、交渉成立と共に信頼関係が徐々に築かれていきます。

IT技術やAIなどが発展していくと、あらゆるものがオートメーション化されてくのは時間の問題ですが、たとえどんなに自動化した技術が進んでいったとしても、根本的な人間関係は、さほど変わらないように思えます。
情報伝達するための言語や方法、取引をするための通貨、アイデンティティを表すための表面的なアバターは絶えず変化を繰り返していっても、人の感情や本能的な欲求は今も昔も変わらないからです。

25 どれぐらい儲かるの?

twitterにはアフィリエイトのようなシステムが無いので、当然広告収入のようなものはゼロ円です。
そのためマネタイズするには別なコンテンツを用意しなければなりません。
マンガやイラストの場合、同人誌としてコミケなどのイベントで頒布したり、缶バッジやTシャツなどを印刷所で印刷してもらって同様にイベントで頒布をしたり、ネット上ではLINEスタンプ電子書籍などがあります。

よくブログへの転載や、動画としての投稿なども勧められるのですが、ああいった広告モデルは根本的に好きにはなれず、そんなことをしてお金を稼ぐんだったら、普通に働いてそこそこの暮らしをする方がまだマシです。
関連性の高く、不快感の無い広告の表示率が高いのであれば積極的に利用する方が、むしろ作品の価値自体も上がるとも考えられるのですが、現状のGoogleを始めとする広告システムは、まだそれらの数値は高いとは思えません。
お店に例えるのなら、看板の横に知らないお店やテキトーな広告を貼っている状態です。
ネット上の広告は特に、成人向けの露骨なイラスト広告や、一目で怪しいと分かる情報商材の広告が当たり前のように出てきます。
そんな広告が無尽蔵に並べてあれば、誰だって良い思いはしません。
良い思いをしないということは、長期的には読者が減る傾向になると思います。
そういった点から、広告モデルというものは、一見ゼロリスクに見えて、実はとてもリスクが高いものだったりします。
(このブログにある広告は、はてなブログ標準の物です。プレミアム会員になれば消せるらしいです……)

しかし悲しいのが、額面上だけで言えば、広告モデルや炎上マーケティングの期待値はかなり高いのが現実です。
私自身も、「頭の良い人と悪い人〜」のヒットが無ければ、そういう方向でやっていってもおかしくはありませんでした。

そういったビジネスモデルで生計を立てている人に対しては、別に何とも思いません。ただ私自身は、ロクに稼ぎはありませんが贅沢をしたいわけでも無いですし、なにより今の方が自分の好きなようにマンガを描けているので、沢山描けば描くほど楽しくなっています。
生活が出来ないほどお金に困った場合も、マンガは趣味と割り切り、全く関係のない仕事を選ぶと思っています。

数字や大人の都合が入ると途端にマンガというものはつまらなくなるのは実体験は勿論、商業作品でもいくつも見てきたので、それだったら作家性を優先した方がいいのかな、と感じています。

24 もっと名乗り出れば……

イラストに名前を入れなかったり、改変ネタの方が圧倒的に流行ったことで、元ネタを作った作者としての私のアカウントは、埋もれた存在になっていました。
勿論、作者としての名前を知ってほしいという気持ちはありますが、私自身の目的は自己アピールや存在価値を認めてもらうのではなく、どうやったら注目を得られるのか、どんな漫画が多くの人に読まれるのかを知るための、一種の調査のようなものでもあるため、そのあたりはぐっと足を止めて、その場で見届けようと思いました。

 

避けたい事例として、ひこにゃん彦根の良いにゃんこの話があります。
これは私も詳しくは無いのですが、簡単に概要だけを説明しますと、彦根市ひこにゃんを描いたイラストレーターとの間で、著作権に関わるトラブルや問題があったことによって、商業展開に不備が生じた(今も生じている?)という話です。

matome.naver.jp


言われてみれば、ゆるキャラのグッズコーナーに昔はあったはずのひこにゃんの姿は全然見かけなくなった気がします。
私が思うのは、そんな大人の事情でひこにゃんというキャラが見られなくなるのは、とても悲しいということです。
公表されている問題以外にも様々な理由があるのでしょうが、ただひこにゃんが好きな一般の人からすれば、着ぐるみを見て、グッズを買えれば満足出来るのです。

 

「頭の良い人と悪い人の〜」ケースで言えば、私が描いたキャラクターよりも、改変ネタで生まれたキャラの方が認知度が高く、人気も高いです。
流行が一段落した後にLINEスタンプを販売したのですが、改変されたキャラクターのスタンプの方が売り上げが多いのは、誰がどう見ても明らかな結果でした。

line.me

line.me


しかしここで元ネタの作家であることを強調したり、イラストの使用について制約を設けたりすれば、多くの人が興ざめする事態になると思います。

 

きっとこのあたりが、自分自身と独立した作品を線引きするラインなんだと思っています。
自分アピールをすれば、言うなれば身内ネタに回帰することになります。
そうすれば「micorunはすごいね」「最高だよ」と友達から褒められるかもしれません。
ですが、そんなことはマンガやキャラクターを使ってわざわざ得るものではありません。
市場を知ることが出来て、実際にtwitterという市場でほんの一時的なムーブメントを起こせたという実績を元に、今後の展開や活動をしていくこと、また少しずつついてきてくれているファンの期待に応えることが、私自身ではなく、作家としての為すべき行動だと思っています。

 

ただLINEスタンプに関しては不本意な点が多くあり、一番の問題は「一つのネタでスタンプが2つある」ということになってしまったことです。
知らない人にとっちゃ「なんで別々になってんの?」と思われて当たり前なので、これは端的に言えば「顧客に倍の値段でスタンプを売る」ことになってしまいます。総体的に見れば損失が多くなることになります。
短期的に見れば儲かるかもしれませんが、継続して作り続けなければLINEスタンプの売り上げは微々たるものですし、目先の利益よりももっと別なものをプロモーションしていった方が、一過性の流行だけで終わらせずに済むはずです。


とはいえ、私自身も以前に有料販売で炎上しているわけですし、その売り方が正しかったか?と言われればとてもそんなことはありません。
リスクの無い金のなる木を見たら誰でも目が眩むように、素人の落とし穴なのかもしれません。


次の目標は注目を得ることから、生きた作品をどう扱うか?が課題になりそうです。

23 唯一良かったことと言えば


私は漫画を描く上で夢のようなものが昔からあって、それは自分の作品やキャラクターの二次創作を作ってもらうことでした。
今回の流行をきっかけに、プロのイラストレーターや漫画家の方も、描いたイラストを投稿してくれて、それを見ることが出来たのが唯一の達成感のように思えます。

f:id:micorunblog:20171103122017j:plain

f:id:micorunblog:20171103122141j:plain

f:id:micorunblog:20171103122510j:plain

 

f:id:micorunblog:20171103122058j:plain

twitter.com

 

まぁ「数字が稼げるから流行りに便乗した」というのがほとんどの理由だとは思いますが、こちらから頼んで描いてもらう仕事としての二次創作では、やはり何処かしっくりこない面が出来てしまいます。
しかし作家さんが自主的に作った二次創作には、作品に対する意識が違い、愛情のようなものが込められています。

私自身、絵が上手くなければ上達させる気もない人間なので、プロの方に自主的に描いて貰えるというのは、最高の贅沢と言えました。

22 改変ネタは、セカンドインパクトを起こす

今までの漫画は、主に作者が主人公であるような視点の漫画を描いていたので、共感を得られるかどうかはきっぱり別れていました。
また、どうしてもキャラクター性が弱く、マンガであってもブログのような、日記の延長のように読まれていることが多くあったようです。
ただ、この「頭の良い人と悪い人の〜」も描き方をより簡潔にシンプルにした以外は、実際に私が感じたことではありますし、視点は特に変わっていません。

 

そして、シンプルな構成にしたおかげか、様々なコラージュ画像や改変されたネタが、色んなアカウントで共有され始めました。
私が投稿した内容の意図とは異なるものがほとんどだったり、絵を勝手に使われていることに問題はないのか?という意見もよく寄せられますが、その点に関しては自分の中できっちりラインが決められています。

イラストや素材の無断使用や改変については、聞かれなければ基本的に全てスルーで、責任も取らないようにしております。
これを例えば許可してしまった場合、改変ネタで政治批判や差別的表現をされた時に、私にも責任がかかってしまうからです。
イラストレーターの方はよく自分のアカウント名をイラストの端などに書かれていますが、私はそういった理由からなるべく書かないようにしています。
あとは単純に、無断利用してもらった方がより早くスムーズに拡散してもらえるというメリットもあります。


頭の良い人と悪い人では、様々な改変ネタが生まれ、中には元ネタよりも多くのリツイート数やいいねが付くツイートもありました。

例えば絵の二人のキャラを同性カップルにしたマンガは、かなりの人気を集め、そのおかげでネタだけでなく描かれたキャラクターにも興味を持ってくれる人が増えました。

 

そしてこのネタでは投稿してから数ヶ月後に、別な改変ネタが急に流行ることになりました。

 


それは元ネタをより分かりやすくした内容だったのですが、その改変されたキャラクターのインパクトが強く、twitterを開けば何処かしらでこのネタの改変画像を見かけるぐらいのヒットを生み出したのです。
しかしそれらは全て私の実力でもなければ、行動の結果でもなく、作品が一人歩きした結果の光景だったので、元ネタを作った当の本人である私は、なんだか他人事のようにしか見えませんでした。
勿論その流行のおかげで、フォロワーが増加したり、誹謗中傷を向けるアカウントが減り、称賛のエールを送ってくれるアカウントも増えましたが「いや俺じゃねぇし(俺だけど)」というような、いつまでも拍子抜け感が続いておりました。