micorunの自己紹介

前にバズった時の記録代わりの自己紹介と、普段考えていることを雑多に書いてます。

情報の内側を知るということ


スマホSNSの普及によって、いつでもすぐに最新情報を得られるようになったこと、個人でも情報発信が出来るようになったことはすごいことですが、その反面フェイクニュースという言葉もあるように、ただ流れる情報を眺めるだけでは良い情報が得られないどころか、むしろ悪影響を及ぼすケースも多くなってきました。


スマホに限らず、メディアや情報媒体が進歩すると、物事の『内側』が見えやすくなります。


これはどういうことかというと、例えば新聞や雑誌、テレビやラジオと言ったマスメディアが普及した時は、全国の政治経済や天気と言った情報が、その国に住んでいれば何処でも知ることが出来るようになりました。

一方で、政治の混乱や内部のもつれ、経済の乱れや地方での凶悪事件など、本来は知るはずも無かった情報も、それらのマスメディアを通じて流れてくるようになりました。

そういった情報を知る必要があるかどうかは、ここでは問いません。
ただ一つ言えることは「知ったところで個人では対応出来ないこと」であることがほとんどです。
これらのような、内部の人や内部を知る人から伝達されなければ知り得ない情報を、ここでは情報の『内側』と呼びます。


やがて携帯電話が普及し始め、スマホSNSが当たり前の生活になると、今度は軽犯罪や芸能人の不倫、ブラック企業の実態など、少数や個人単位でのプライベートな『内側』も見えるようになりました。

これらの情報も同じように、ほとんどの人にとっては関係のないことです。
また、不倫もブラック企業も増えたのではなく、元々あったことが露見するようになった(そういった情報に価値を持たせる場が整った)と言えます。


こういった「個人には関係のない内側の情報」を多くの人は毎日のように見たり読んだりしていますが、はっきり言ってとても無駄なことだと私は思います。

何故ならこういった情報は話題に尽きることがないからです。
また、政治家や芸能人という職業であることを理由に、個人を痛烈に批判するようなニュースを見続けていれば、性格も歪んでしまいそうです。

はっきり言えることは、内側の情報というものは良いものと悪いものがあるということです。


良い内側の情報というのは「その情報を知ることによって、興味関心を抱いたり、大きな学びへと発展できる」ものです。


例えばパソコンやタブレットを使っていて、これらの機械はどうやって動いているのだろう?と思ってネットで検索すれば、CPUやOS、液晶画面のようなパーツから中身を分解した動画まで、ありとあらゆる「内側」の情報を知ることが出来ます。

それらを知ったところで何の役にも立たない、と思うかもしれませんが、それがきっかけで自作PCを組んでみようと思ったり、プログラミングを勉強してみたり、パーツに惹かれて工業系の専門職に就きたいと思うように、何かのきっかけになったり、好奇心を持つことが出来るのです。


こういった機械の仕組みや自然現象、人の身体機能や構造、動物の生態や宇宙についてなど、百科事典に書いてあるようなことは、ネットには無数に情報が蓄積されています。

「ネットは危険だから子供には見せたくない」という大人も多いかもしれませんが、正しい使い方を教えてあげれば、本や学校で学ぶよりも何倍もの学習効果、そして何より様々なことに興味が湧き、自分から行動出来るような自主性が育むようになります。


先日、ニンテンドースイッチニンテンドーラボというソフトが発売されました。
それはダンボールを組み立てて自分で一からコントローラーを作るという教育玩具のようなゲームなのですが、私がこれを実際に遊んでみて感動したのは、コントローラーの仕組み、つまりゲームの内側を子供にも分かるように丁寧に解説していることです。

ニンテンドースイッチのコントローラーには、スマホなどにも搭載されている加速度センサーをはじめとして赤外線カメラ、HD振動など、高度な機能が付いています。
ニンテンドーラボではそれらを活かしたコントローラーを組み立てることが出来ます。

どうすると加速度センサーが反応するのか、赤外線カメラは何を捉えているのか?などもゲーム内で分かりやすく説明されていて、実際にその仕組みを知った後に同じゲームをやってみると、全く別な視点から楽しむことが出来ます。


手品の種明かしのように、今までだったらこの仕組みである「内側」は秘密にしておいた方が、魔法のように楽しめるのかもしれませんが、いくら秘密にしても、ネットで検索すれば誰でも5秒で分かってしまうのが今の時代です。

逆に言えば簡単に仕組みを理解出来るからこそ、誰にでも物やコンテンツを創り出せる可能性が与えられているのです。


「クーラーはこまめに消した方が電気代が高くなるのか?付けっ放しの方が安くなるのか?」と言う議論もネットではよく見かけますが、エアコンの仕組みを調べて理解すれば、どういった気候や環境だと電気代が掛かるのかどうかなども、数十分で解決してしまいます。

「内側」を知るということは、知識量だけでなく学習能力を大きくあげる効果があるのです。


ただ、調べない方がいい「内側」の情報もあります。

それは他人の性格傾向や、病気に関する内容です。

他人の性格や心理というものは、そもそも抽象的なものであり、また置かれた環境や所属するグループでの立場によって、相対的に変化するものです。
意識や人の心は氷山の一角のようなものという言葉があるように、他人は勿論、自分自身の性格ですら分からないことも多く、また常に変化しているものなのです。

そのため「こういった行動や考えを持つ人は、こういう性格傾向がある」と言った情報は、かなり偏ったケースがほとんどです。
学問の一環として心理学を学ぶことは良いことですが、人の内面を知ろうとしたり、自分自身の才能や性格を知るためにそれらの情報に触れることは、返って逆効果になります。


病気に関する情報は、何年か前にWELQの医療情報の問題のように、信ぴょう性のない情報が多くあります。
また、事実であっても「一万人に一人の確率で起こるリスク」と通常のリスクが同等に扱われているような内容も少なくはありません。
そんな情報を鵜呑みにしてビクビクしているよりは、素直に信頼出来る病院で健康診断や定期検査を受けるべきです。

 

多くの人はスマホでは、SNSで友だちと会話したり、ゲームをしたり、買い物をしている人だけの人が多いかと思います。
また、調べ物をしていても「答えのない問題」や最初に書いたような意味のない内側の情報を見ていることも多くあると思います。

しかし、同じスマホやネットを使っても、自分の興味関心ごとや専門的なことに関して、「内側」の情報を正確に沢山得られることが出来れば、今までの常識では考えられない低コストと短時間で成長及び学習することが可能なのです。


情報が平等なネットの世界では、そういった能力が今後も重要になってくるでしょう。