micorunの自己紹介

自己紹介を長々と書きました。

04 初めて市場にふれる

その頃は実家で絵を描くことしかしていなかったので、貯金がいくらかあったのと、知人の勧めをきっかけに、株投資を始めました。
投資といっても手持ちの資金はすずめの涙ほどしかなかったので、デイトレードポートフォリオを組むなどという事は出来ず、ただ単純に好きなゲーム会社の株を最低単元数だけ売買していました。

株の売買を始めたのなら当然勝ちたい、儲けたいと思うのが人の心情です。
それをきっかけに、無数に本を読み漁りました。
株投資の関連書は勿論、売買する人の気持ちを知るために心理学や哲学、さらには脳科学の本まで読み漁りました。
投資額が少ないので結果には反映されなかったのですが、様々な企業や銘柄を調べたり見ているうちに、少しずつ市場というものの輪郭が見えてくるようになりました。

一年ぐらいたって、FXをやっていたという友達と会い、投資の話をした時のことです。
その友達はFXで投資資金を全て溶かしてしまったそうですが、それとは別に、今はYouTubeの広告で収入を得ていると言っていました。
ユーチューバーのように投稿主が出演しているような動画ではなく、特定の分野のレクチャー動画を作っていました。
再生数は話題のユーチューバーに比べれば多くはありませんが、そのジャンルでは最も再生数の多いチャンネルになっていて、広告収益率も高いそうです。
私は思わず聞いてしまいました。
「どうすればそんなにアクセスしてくれるの?」
すると友達は言いました。
「みんなが見たいと思う動画を、みんなが分かるように作ればいいんだよ」
私はその言葉を聞いて、目から鱗が落ちたようでした。
「みんなと言うのは、年齢や性別もばらばら、もっと拡げれば国籍や言語も関係ない。そんな誰でも分かるものを作ればいいのさ」
友達はそう言って、二つの動画を見せてくれました。
一つは知らない曲を歌っている子の動画。
二つ目はジブリの有名な曲をアレンジして弾き語りをしている動画。
いわゆる『歌ってみた動画』です。

「これを聴いて、micorunはどう思った?」
「どっちもまぁ、上手いかな?」
私は曲に思い入れも無ければ、どちらのファンでもなかったので、それぐらいしか言えませんでした。
「そう、その通りなんだよ」
友達は思った通りの返しがきたと言いたげな笑みを浮かべて続けました。
「実は一つ目は、とある有名なボーカルオーディションで日本一位になった子なんだ。対して二つ目の子は、プロでも無ければ実績もない、アマチュアの子だよ」
そう言われた後にもう一度二つの動画を見せてもらいましたが、確かに一つ目の方が上手い(気がする)とは思いましたが、そんなに差があるとは思えませんでした。
「そう。多くの人には、歌の上手さの差なんて分からないんだ」
学業として音楽を学んできた自分ですら、分野が違うとはいえ、上手さ違いが分からないのですから、それこそ違いが分かるのは同じ歌い手の人か、歌のプロしかいないのでは、と思いました。そしてそのような人たちは、一般的に言えばかなりの少数派です。
それまで私にとって作品を発表するということは、その筋の人や専門家に見てもらい、評価を得ることだと思っていました。
勿論大会やコンクールではそのようなアピールの仕方で間違ってはいないと思います。
しかしネット上の、少なくとも注目を集めると言う意味では大きく異なります。
「専門的な能力の高さをアピールするのではなく、みんなが理解出来るようにアレンジする。それがネット上での作品作りのコツだよ」