micorunの自己紹介

前にバズった時の記録代わりの自己紹介と、普段考えていることを雑多に書いてます。

時間の価値について ~時間が足りない理由は、集中力の欠如~

時間がないとは、現代人の口癖のようになっています。

しかし時間があれば、それだけで幸せなのでしょうか?

 

価値観によって違うと言ってしまえばそれまでですが、持てる時間が長ければ長いほど、価値があるとは限りません。
例えば2時間の一本の映画と、全12話約12時間の1シーズンのドラマでは、どっちに価値があるかどうかというのは時間だけでは評価出来ません。

確かに一定時間必要な物事は世の中には沢山あります。
例に挙げた映画やドラマを見る時間や、創作する時の作業時間、睡眠時間もその一つです。

映像を何倍速かで見たり、文章であれば速読術、短期睡眠術なども世の中には出回っていますが、それらを使うことで短縮出来る時間に対して、得られる価値というものは、そこまで高くなるとは思えません。

2時間の映画を観た気分になるために、ネットに上げられたあらすじやネタバレ、他人の評価やレビューを調べることは論外です。そっちの方が返って時間かかりそうだし。

時間がないから必要な時間を短縮する、という発想は、お金がないから必要なお金をケチることと同義です。長い目で見れば、それはどちらも生活だけでなく健康面にも大きく関わってきます。

かと言って、足りない時間を捻出するというのも、同じようにお金で例えればコスパを気にするのに近く、あまり費用対効果が高いとは思えません。


僕が思うのは、最初の一文に書いた、長い時間があれば、それだけ幸せなのかどうか。

たしかに「時間がある」ということで安心感は産まれるかもしれません。
だからと言って、時間がなければ幸せになれないとは思えません。

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僕は最近、世界記憶力大会の競技の一つである、トランプ1セット(54枚)のランダムな並び順を覚えるという遊びをしていますが、これにはすごい集中力が必要です。
記憶術と言っても、ただの語呂合わせの応用なのですが、54枚がランダムに並べられる訳ですから、組み合わせとしては天文学的な数字となります。
そのため、その場の用意された順番に即座に語呂合わせを作り、それをしっかり頭に入れてから再現し直さなければならないのです。
全て覚えるまでは、平均して五分程度です。(記憶力大会の世界王者であるベン・プリモドアは、30秒ほどで覚えてしまうそうです)
掛かる時間が五分というのは、それより速く覚えようとすればミスが多くなり、逆に時間を掛けても、むしろ集中力が切れて、ど忘れしてしまいます。
つまり、ちょうどいい時間が五分なのです。


このトランプの例で言えば、記憶力に関しては、時間の量よりも、むしろ質に相当する「集中力」が大きな鍵を握っています。
トランプ記憶を行なっている時に話しかけられたり、気が散るようなことをされれば、当然集中力が途切れていつまでも覚えることが出来ません。

つまり、時間の価値とは「どれだけ価値のある物事に集中出来たか」だと思っています。

集中力というと、仕事や勉強など、作業を効率的に行うための能力のように思われる方も多いですが、僕は最近、娯楽や遊ぶことに関しても、集中力の有る無しでは大きく変わってくるのではないか、と思うようになりました。


僕は長編小説を読むのも好きなのですが、これも集中力、それも長期的なものが必要になります。
小説の良いところは、文章主体であるため、物語の舞台や登場人物たちを全てイメージで補完しないといけないのですが、このイメージするという行為は、記憶の仕組みから言えばより鮮明に覚えられる他、脳への良い刺激にもなります。

集中力が高まっている状態で読むと、文字を読んでいるというよりは、イメージが勝手に動いているような錯覚を起こします。

マンガを読むときも、多くの人はセリフだけ拾ってストーリーを追うような読み方をしていますが、僕は好きなページや印象的なコマで視線を止めて、じっと眺めたりします。

漫画というものは、一つのコマを描くだけでも、大変な労力と時間が必要になります。
描き手の苦労が分かるからそのような読み方をしたくなる、という理由もありますが、それ以上にマンガには、無駄なコマやシーンというものは、一つも無いのです。

場面転換や、台詞のないシーンは、台詞を拾うだけの読み方では、一秒も目に留まらずに読み飛ばされてしまうでしょう。
しかしそのような読み方で済むのであれば、そもそも絵がある必要、漫画である必要が無くなってしまうのです。

より早く、より多くの本やマンガを読むことが、一種のスキルや経験値のように語られることが多いですが、はたしてそれが時間としての価値が高いのかどうか、疑問ではあります。

僕自身も量だけで本を読んでいた時期がありましたが、早く沢山読んでいた時の本は、あまり記憶に残っていません。面白いと思えない本が多かったのも事実です。
それよりも、厳選した読みたい本を読んだ方がしっかりと記憶に残る他、次に読む本もしっかり集中して楽しめるようになりました。


○○○

時間があれば幸せなのかどうか? というのは人それぞれですが、僕個人が思うのは、沢山の時間を持つことが幸せなのではなく「時間の長さに関係なく、時間の大切さを常に意識して感じること」が幸せなのだと思っています。

時間が足りない、余裕がない、やりたいことが出来ないといつも言っている人は、自由な時間が無いだけでなく、短い時間を粗末に扱い、長い時間を追い求めているだけなのかもしれません。

 

 

大事なことに集中する―――気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法

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